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日銀の利上げを受け、民間銀行が相次いで預金金利を引き上げている。ポイント付与など独自の施策も組み合わせた預金獲得競争は激しさを増す。だが、経営体力に不安のある地方銀行などは「消耗戦」で疲弊しかねず、「金利で勝負するのではなく、付加価値を考えないといけない」(地銀幹部)との声も飛び出す。
日銀は16日の金融政策決定会合で政策金利を1.0%程度に引き上げると決定。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクは同日、普通預金金利を現在の年0.3%から0.4%に引き上げることを決めた。いずれも8月3日から適用する。三菱UFJ銀と三井住友銀は1992年以来、34年ぶりの高水準だ。りそな銀行や横浜銀行(横浜市)も追随し、8月3日に0.4%に上げることにした。
実店舗を持たず、運営コストを抑えられるインターネット専業銀行はさらに上を行く。KDDIグループのauじぶん銀行は8月1日に現在の0.31%から0.41%とする。総資産残高が1000万円以上などの条件を満たした顧客向けの「プレミアム金利優遇」は0.65%から0.75%とする。
スマートフォン決済大手PayPay(ペイペイ)傘下のPayPay銀行は普通預金「ステップアップ円預金」の金利を8月1日に現在の最大0.5%から0.6%に上げる。7月には0.1%分のPayPayポイントを付与する特典を始め、実質上乗せする。
預金金利と貸出金利の差である「利ざや」は銀行にとって、大きな収益源だ。それを原資にリスクを取って投融資に取り組むことで、企業の成長を促進し、さらに稼ぐこともできる。
全国銀行協会の加藤勝彦会長(みずほ銀頭取)は18日の記者会見で、「(預金獲得の)銀行ビジネスでの重要性が一層高まっている」と強調した。
ただ、金利競争に付き合うことは経営体力が少ない地銀にとって負担が大きい。人口減少が進む地方ではなおさらだ。全国地方銀行協会の八木稔会長(静岡銀行頭取)は17日の会見で「地銀が強みを持つ給与振り込みなどに付随した粘着性の高い預金をつなぎ留めることが重要だ」と語った。ある地銀幹部は「預金獲得のための地銀同士の統合も今後増えるだろう」との見方を示した。